この曲の冒頭の部分は幼いころから聴き覚えがありました。
当初は曲名を覚えないままだったので、「悲愴」あたりと混同していました。
全曲聴いてみても、チャイコフスキーらしいワルツの流れがあり、静かな流れがあり、これでもかとばかりに爆演で盛り上がる場面ありとスケールの大きい名曲です。
名曲だけに幼いころから出会って、ずっと後になって昔の思い出を探るように自分の記憶にある演奏を求めていく人がそれなりにいるのではないかと思うのです。
マルタ・アルゲリッチ
クラウディオ・アバド指揮/ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
これまでホルヘ・ボレット/シャルル・デュトワ/モントリオール交響楽団のものを聴いてきたのですが、音色はともかくテンポの妙な遅さやタイミングがいまいち合わず、もう少し標準的な定番の演奏を求めて、マルタ・アルゲリッチにすることとしました。
奔放な爆走タイプの演奏家によるものが標準的なのかという突っ込みはあるかもしれないけれど、子供の頃から親しんできた曲は大抵テンポ早めを好む傾向があるので、ちょうどいいものと考えたのでした。
アルゲリッチの演奏によるCDはライブものばかり四枚あるけれど、ここはカップリングに二台のピアノによる「くるみ割り人形」の軽快な演奏に惹かれて選ぶこととした。
こんな選び方でいいのか・・・選び方は人それぞれだからいいんだよ。
ピアノ協奏曲を聴いてみて、ピアノが飛ばし始めると慣れないせいか少し戸惑いはあったものの、慣れてくると心地よくなってくる。
ゆっくり静かに弾いたり、快調に弾いたり、がんがん鳴らしたり、場面によって弾き方が変わり退屈させない。
そういえば私の手元にあるアルゲリッチのものは穏やか系な演奏のものが多かったかな。
「子供の情景」とか、ピアノが終始伴奏に徹するだけのアルペジオーネ・ソナタあたり。
オケの方はやや鈍くて、その分ピアノのほうが少し勝っている感じ。
金管だけ少しきつめに鳴っているかも。
子供の頃に聴いた演奏の雰囲気とは少し違うけれど、ピアノの変化に富んだ奔放な演奏はこの曲に新たな発見をもたらしたような気がするので、良しとしましょうか。
カップリングはバレエ組曲「くるみ割り人形」のエコノム編曲による二台のピアノ版で、こちらはニコラス・エコノムとの共演で録音時期も音場も異なる。
ラヴェルのラ・ヴァルスと同じくオーケストラから二台のピアノに編曲されて、オーケストラ版とは違った魅力を出している曲。
くるみ割り人形の曲名にふさわしい、軽快なころころとした曲調と演奏で、これは隠れた掘り出し物か。
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